キキカンリスト〜危機管理の実践と研究のブログ〜

危機管理って難しい言葉だけど、日常生活でもちゃんと意識できるようになると、賢く安全に暮らせるようになると信じて、このブログに考え方や経験を書き記していこうと思います。

危機管理とリスク管理

危機管理と似た言葉に「リスク管理」というのがあります。

「危機管理」は、近年様々な場面で使われるようになった言葉ですが、「リスク管理」は、まだ特定の分野でしか使われていないような気がします。

具体的には、金融業界であったり、IT業界であったり、行政であったり、というところでしょうか。

 

「危機」は英語でいうと「クライシス(crisis)」、「危険」は英語でいうと「デンジャー(danger)」、では「リスク(risk)」はというと、これにあたる適当な日本語がないので、英語のまま「リスク」と言っている訳です。

 

リスクとは、危険や危害(英語でいうと「ハザード(hazard)」)の大きさとそれが起こる確率を掛け合わせたものです。

例えば、歩行者と車の衝突事故でいうと、歩行者にとっての危険や危害は車自体であり、歩行者にとってのリスクは、車のスピードや大きさ、ガードレールがあるかどうか、車の運転手が居眠り運転をしていないか、信号無視をしないかなど、様々な要因を踏まえてどのくらいの確率で、どの程度の被害を受けるか、ということになります。

つまり、車自体は危険をもたらすものであるけど、誰も運転していない止まっている車は、歩行者にとってのリスクはほぼゼロと言えます。

 

危機管理は、危機をいかに防ぎ、いかに乗り越えるか、ということを考えるものですが、リスク管理は、リスクの大きさ(被害の程度やそれが起こる確率)をどのようにして、また、どの程度まで下がることができるか、ということを考えるもののように感じます。

また、「リスクヘッジ」という言葉が金融業界で使われることがありますが、どちらかというと「リスク管理」に近い意味で使われている気がします。

微妙なニュアンスの違いであり、自分自身もスッキリしない部分もありますが、これから少しずつ解明していきたいと思います。